【短編】俺の可愛い妹
何が?
なら、どうして
『梓衣と来てるから行けない』
そう言ってくれなかったの?
曖昧にする武ちゃんが、わからない。
ねぇ、武ちゃん。
武ちゃんがわかってる?
「梓衣?」
あたしを覗き込んだ武ちゃんは心配している顔だ。
「……ごめんなさい」
「ん」
フワッと笑って頭を撫でる。
この大きな手に安心するんだ。
いつもなら心までポカポカするのに、今日は心は冷たいままだよ。
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