【短編】俺の可愛い妹
それから何度連絡をしても無視されて。
家に行っても会ってもらえなくて。
街で偶然会う事だってなくて。
こんな事、タツに言う事だって出来なくて。
後悔した。
何に後悔したのかって言われれば、夏に梓衣に手を出してしまった事。
何で梓衣の“好き”を受け入れたんだって。
何で“キス”なんかしちまったんだって。
だってそうだろ?
あれさえなければ、俺は気づかなかったのに。
気づかないふり出来たのに。
梓衣を“好き”だって事に。