【短編】俺の可愛い妹
どんどんと奥に行く梓衣の名前を必死に呼ぶ。
俺は、酔ってるせいか靴を脱ぐのにも時間がかかって本当情けない。
そして、やっと追いつくとベッドの上に座った梓衣が、真っ直ぐに俺を見つめて
「武ちゃん、抱いて」
そう言ったんだ。
キョトンとした俺は、その言葉に今度は頭が追いつかなくて。
何度も同じ言葉をリピートする。
抱いてって。
そういう意味……だよな?
驚いた顔で梓衣を見ても、梓衣は真剣な顔のまま俺を見つめていた。