妄想ガールの王子様
皆でカラオケ
次の日の帰り道。

わたしはカナと一緒に最近できたおしゃれなカフェに行くことにした。

ここには笑顔が素敵な店員さんがいる。

紳士的で物腰が柔らかくて……。

「あぁ。今日もかっこいいなぁ~」

「梨乃ー。目がヤバいよ」

カナは席に着くなりカウンターにいる店員さんを見ているわたしの腕をつついた。

「え?うそ!」

「うん。今にもよだれ垂らしそうな顔してる。どうせまた妄想してるんでしょ」

「そんなことないよ~?」

目をそらす私にカナは

「そんなことあるでしょ!アンタの目がヤバいときは大抵『あっちの世界』に行ってる時だから」

カナはわたしの妄想を『あっちの世界』なんて言う。

まぁ、当たってるんだけど……。
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