妄想ガールの王子様
「ここで降りよう」

「海?」

「うん。こっち!」

春田くんは小走りで行ってしまう。

大きなバックを持ってるのに彼の足取りは軽い。

「え?待って!」

わたしも慌ててそれに付いて行く。春田くんは砂浜に行くと手招きした。

「小林さんにこの景色見せたくてさ……」

すこし照れたように言う春田くん。

夕日が傾いた海辺には誰もいない。

太陽の光が水平線に吸い込まれていって波打ち際がオレンジ色に染まっている。

……あれ?

このシチュエーションってもしかして……。

こ、告白……とか?


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