いじめる側と、いじめられる側と
第一章
バシャッ

女子が、集団の真ん中にいる奴に泥水をかける。

「わぁ!こっちかかったぁ」

「ゴメンゴメン、わざとじゃないって」

そう言って一人の女子が、広げた片手を顔の前に持っていき、謝る仕草をする。

「も~、汚れちゃったじゃ~ん」

泥水をかけられた彼女を、気にする様子もなく去っていく。

それにつられるように、かたまっていた集団がぞろぞろと散ってゆく。

俺もその場を去った。




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