彼の者、魔王と云ったそうな

「あいつは生きているよ。今もお前を探してる」

「……。」



目を見開く縁はしばし固まっていたが、急に立ち上がり庵の奥へと引っ込んでしまった。

当然、その上に乗っていた道吉は落とされ頭を強打。そのまま気を失ってしまった。



「………。」



空を見上げ、悲しげな顔を浮かべる縁。

今はいない自分の弟子を思い、縁はポツリポツリと言葉を紡ぐ。



「今は妖怪が栄える時代、人間も恐怖におののく時代やて。…東も西も、この先荒れるで。

あ、ほんでも山ン本はんがどうにかしてくれはるやろ」



おい。他力本願か。

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