スキというキモチのカタチ。

コイビト・このは。再び。

(誕生日かぁ。)



すっかり忘れていた。


彬から言われて思い出す始末。


仕事をこなしながら頭の中では色んな事を考えていた。

あんな伝え方をしたら、間違いなく彬は違う方向で受け止めたハズだ。


(彬ちゃんが欲しいだなんて、身体だけが目当てみたいじゃん!)



顔が熱い。


どうも彬とのセックスを思い出すと恥ずかしくてならないのだ。


まだほんの数回しか経験してないから、かもしれないが。

彬の逞しい身体を思い出すだけで、胸がキュンとなる。


(あの腕に抱かれて…夢じゃないよね?)

色々考えているとドキドキが止まらなくなった。


(慣れるものなの?これって…。)



「このはの百面相〜。」


いきなり美来から声をかけられて、妄想世界でお花畑だったこのはは飛び上がるほど驚いた。


「きゃ」

「しぃぃぃー‼」





口を塞がれなければ、間違いなく絶叫していただろう。


心臓がバクバクなっている。



「ごめんごめん、何か考え中だった?」



うん、彬ちゃんの裸体を。



とは流石に答えられない。


「びっくりしたぁ。アタシそんなに百面相かなぁ…彬ちゃんにもよく言われるよ〜。」




ビックリしたお陰か、さっきまでの妄想ドキドキが治まった。

違うドキドキに襲われたから。



「このはってよくデータ打ち込みながら妄想してるよね。

さては愛しの王子様のこと、考えてたでしょー?」


図星。



美来はよく言い当てる。
さすがと言うか何と言うか。


アタシは単純なんだろうか。



「ね、良かったらさ、この前の御礼したいんだけど。」

「御礼?」


何だろう?思い当たらないので首を傾げる。

「晋哉さんが、このはに会いたいって言うの。」


「課長が?なんで?」



益々キョトンだ。


「あたし、この前晋哉さんとケンカしたじゃん。あの後さ、このはに言われてちゃんと言いたい事伝えてなかったーって思って話し合いしたの。」



「ああ!それで」


「晋哉さんがこのはに御礼したいから誘えって言うんだけどさ、あたし達2人にこのは1人だとつまんないじゃん?
王子様呼べないかなーって。」



なるほど。


ようやく話が見えた。



「いつ?彬ちゃんに聞かないとわかんないし…忙しい人だから。」


「出来たら金曜日。」


週末か…どうだろう。
先週末は出張だったから。

メールしてみようか。


「じゃあ聞いてみる。」



早速メールを打つ。


<美来と美来の彼氏が、アタシと彬ちゃんと4人で食事したいって話をしてるみたいなんだけど、金曜日の夜、時間取れる?無理はしなくてもいいんだけど…どうかな。>



送信、っと。



もし時間が取れるのなら、出来たら夜はずっと側に居たい。


彬の腕の中で眠りたい。


なんだかムズムズする。


「このは?」


スマホ片手にフリーズしたこのはを不思議に思ったのか、美来が尋ねる。


「あ、ごめん。一応聞いてみたから、返事があったら言うよ。」

「わかったー。」


美来は自分のデスクに戻る。


無性に彬に会いたくなった。
会ってあの広い胸に飛び込みたい。

彬の匂いに包まれて安心したい。



(アタシ、情緒不安定?)



またもや妄想に囚われかけていたら、彬から返事のメールがきた。



<いいよ。俺も彼女と一度ちゃんと話をしたいと思ってたから。

それともう限界。


お前を抱きたい。>



ドカン!


と頭から噴火したんじゃないかってくらい、恥ずかしさに身悶えた。




(彬ちゃんも同じなんだ…よかった。)



自分ばかりが欲求不満なのかと妄想の世界で身悶えていたが、ダイレクトな彬からの求愛に不思議とこのはの心が落ち着いた。




「美来ちゃん、OKだって!」


振り返り、彼女に満面の笑みで答えた。




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