サンドリヨンは微笑まない
スウガクは使わない


「あんたさあ…舐めてんの? 俺が美術専攻だからって」


頬杖をついたままあたしを見る。

首が取れる勢いで、横に振った。

こんな風になった元凶は一週間前にあるとして、遼をこんな風にしてしまったのは三時間前のあたしだ。







恐ろしくスムーズに事務所をクビになった日に他の事務所に拾われるという天の恵みを頂いたところで、母親に連絡をした。

そして初めての遼来訪。

クラッカーを用意するどころか、あたしは追い返す気でいた。


「…え、なんで電気点けねーの?」

「あ、電気止まってるから」


あくまで希望だった。



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