*Pure love*
番外編 花香side
‐たんぽぽぐみ。望月 花香‐
 
「じゃあ,はなかちゃん。カメラにむかっておしゃべりしてね」

「なまえは、もちづき はなか。たんぽぽぐみです。わたしのいちばんたいせつなものは、あんじゅといくまです」

「さとう あんじゅちゃんと、やの いくまくんかな?」

「うん」

「三人はすごく仲良しさんだよね」

「わたしはあんじゅもいくまもだいすきです。おおきくなっても、ずっとずっとなかよしでいたいです」


 ☆☆☆


 ピピピピッ

「…」

 無言で布団から最短距離で手を伸ばして目覚まし時計を押す。

 そして再び…

「おはよー。花香」

「…」

「花香?朝だよ、朝、あーさ−」

「…うるさいっ!」

 布団から身を起こすと、目の前でふわりと笑う見知った顔。

「おはよう、花香」

「い、郁馬!?」
 
 幼馴染で、…ついこの間私の彼氏になった、谷野 郁馬。
 
 って、え?

「何で部屋にいるの?」

「準備が早くできたからさ。花香、迎えに来た」

 屈託ないその笑顔に文句なんて言えず、やや頭を押さえる。

「…とりあえずさ、郁馬。下でお母さんと話していてくれないかな」

「…?うん、了解」

 バタンと扉が閉じた。

「はぁあ」

 全く、

 朝からドキドキさせんな!

 パタパタと顔を仰ぎながらベッドからでる。


 ってか、まだパジャマだし。今更だけど。

 半そでブラウスを着て、スカートのフックを留める。
ボサボサの髪の毛に、スプレー状のトリートメントを吹きかけて、念入りにブラッシング。

「…よし、オッケーかな」

程なくして、準備が完了した。

階段を下りて、リビングを覗くと

「もっと食べてね!花香ったら、朝全然食べないのよ」

「えぇ、いいんですか?じゃあいただきます!
確かに花香、低血圧で朝食べませんよね」

仲良さげに話している私の母親と彼氏。

「何二人で話してるの?」

「あら、花香ヤキモチ?」

面白そうに笑いながら、お母さんが私と郁馬の前に、お茶碗によそったご飯を置く。

「「いただきます」」

んなバカな。何で実の親に妬かなくちゃいけないの。
お母さんの言葉はスルーしておいた。

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