わがまま姫♀



その日を境に、俺は壊れていってしまった。



その数日後、学校中の女子は俺達の婚約のことを知り、ますますうるさくなった。



もともとうるせーんだから、それ以上うるさくなんなくていいのに。



もちろんターゲットはコイツ、姫央だ。



「桃井さん!」



そう絡んできては、いつも隣で壮絶なバトルが繰り広げられている。



たまに俺に話がふられたと思ったら、



「俺がコイツのこと好きになりゃ、なにも問題ねーだろ」



とか言ってる自分。



我に返った時、すごいことを言ったものだと恥じた。



また、ネジの1つや2つ取れたんだろう。



その日、昼飯を食べ終わったと思ったら、加藤がすんごい勢いで俺のとこに来た。



一緒にいた直人も、驚いた顔で加藤を見る。



「今沢くんっ!!」

「…なに」

「大変よ!ひ、姫央が、椎野先輩に連れていかれちゃって、今頃旧校舎で…って、今沢くん!!?」



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