わがまま姫♀



“キーンコーン…”



チャイムの音が校内に響き渡る放課後。



「姫央~~傘入れて!!」

「…え?雨降ってんの!?」



チャイムの音が消えたと同時に、遥があたしにすがり付いてきた。



「もうね、ザーザー降りなのよ!!」

「あたし傘持ってないよ?!」

「え゙ぇ~?!じゃ、駅までどうすんの?!」



そんなこと知るか!



「駅まで走れば、問題ないでしょ?」

「姫央は寝てたから、そんなこと言えるんだってば!」



あたしは教室の窓に目をやった。



「………」



ここ、どこ…?



「…せ、戦場?」

「もうっ、なに言ってんの!」



窓の外は激しい風雨。



言ってしまえば嵐だ。



けど、嵐なんてもんじゃない。



まるで、雨と風の戦争のようだった。



いやいや、本当。



今沢とあたしみたいに両者とも引かない。(←例えおかしい)



激しい暴風雨で、グラウンドも半分辺りまでしか見えない。



< 31 / 566 >

この作品をシェア

pagetop