全部許してくれますか?
5:ほころび
なんで今まで泣けなかったのか
わからないくらいに悲しみの底にいた。

いきなり修二に振られて
思考回路がついていかなかったせいかな
私にはわけがわからなかった

修二にはずっと
心の底に想っている人がいたこと
その存在を知らずに付き合っていたこと

土井くんが修二の存在を知らないように
私も、修二の思い人の存在を知らない。

そして、私も土井くんの存在に気づかなかった。

そんな土井くんが私のことをわかってくれて、諭してくれて…

心が揺らがないわけがなかった。

「そのままでいい」

という言葉に、

いつの間にか、
私の心はほころんでいた。
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