【短編】不器用なあたし達の愛の証
不器用なあたし達の愛の証



「…最低」




無様とは、まさにこのことだろう。




年に一度の彼の誕生日は、思い出に残るものにしてあげたいって。




一時間かけて巻いた髪も。



テーブルに並んでいる、彼の好物ばかりを集めた料理達も。



彼の喜んだ顔を思い浮かべながら買った、プレゼントも。



一人で虚しく装飾した、彼の部屋も。




「あーもう、ほんと厄日」




今思えば朝焼いた目玉焼きが焦げたのも、階段で足を滑らせて大きなアザをつくったのも、集めていた懸賞用のシールを間違えて全部捨てたのも。



全て、この悪夢の前兆だったのかも。



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