【BL】秘密の生徒会長さま…の恋人!?




「あんな奴の何がいいのかねぇ。」
「だから!違うって!」
「はいはい。」


俺の言葉を軽く流す湊に詰め寄ると、



「随分、楽しそうだね。」



第三者の声がした。


見なくても分かる。



よく通る聴き心地のいい声。


教室のドアには、ほら、やっぱり。



「聖弥………」
「久しぶりだね。」



ニコッと微笑む聖弥が佇んでいた。



「あ、聖」
「――そうなんです。今超楽しんでるんで、邪魔しないでいただけますぅ?」



予想外に湊がふざけた口調で聖弥に言い放った。



「ちょっ、おま、何言って――」
「慎理、話があるんだ。一緒に来てくれる?」



いつもより強い口調で、聖弥は言った。


なんか、怒ってる?



「あのぉ、聴いてました?俺と慎理、今楽しんでるんですけど?」
「君には訊いてないよ。慎理、来てくれるよね?」



やっぱ、なんか怒ってる。


俺、なんかしたかな?


「あ、うん。悪ぃ、俺行ってくる。」



そう言うと湊は俺にだけ聞こえる声で、


「頑張りなよ。」



と言った。



何をだ?とは聞き返せず、ただ首を傾げながら、俺は聖弥の背を追った。




< 26 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop