お熱いのがお好き?


人のいい清志は、レジアルバイトの小生意気な女子高生たちから苗字をとって「桐島ちゃん」と呼ばれ、からかわれていた。

桐島ちゃんこと清志は、彼女達にそう呼ばれても頭を搔いて笑っていた。



麻紀は、面白くなかった。


髪を茶色く染め、放課後だからと言って顔面に水商売みたいな化粧を施した 女子高生達。


引き締まったウエスト。剥き出しの若い腿。
どれも麻紀にはないものだ。


特に、山田カレンとかいう公立高に通う茶髪のサラサラロングヘアの女ーーー


カレンは派手な外見とは違い、素直で気が利き、女から見ても好感度が高かった。

カレンはちょっとしたことで、すぐに主任である清志に甘え、すり寄って行く。



ーーカレンは確かに清志に好意を持っている……


それは更衣室での女子高生達の会話から分かった。


『カレン、マジでおっさん好きだねー桐島ちゃんに告っちゃいなよ〜』


黒髪のオカッパヘアーに黒々とした縁取りアイラインのエミに冷やかされたカレンは、『やだあ、そんなんじゃないって。バッカじゃねー?』と言いながらも、きゃっきゃっと嬉しそうだった。


『……!』


麻紀は戦慄した。









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