youth!!


「あの‥?」

その人が私をのぞきこんでくる。
あ、やば。
かっこいい人にはつい反応してしまうというかなんというか‥女子校病だ。


「うわっ、あ、なんでもないです!ほんとにありがとうございました!」


私はまた早足で歩きだそうとする。
その時。

「ちょっと待って。」

「え?」
急に腕を掴まれる。

突然のことに驚く。
ってか私、こういうシチュエーション慣れてないんですけど‥

もうこれだけでドキドキしてる私って‥
やっぱ女子校病だ。


「あのー、よかったら、後ろ乗りますか?」

びっくりして当たり前のことをきいてしまう。
「え?自転車の?」

「うん‥急いでるみたいだから‥」

「え、いやいや!とんでもない!大丈夫です!ほんとにシャーペンだけでもう‥ほんと助かりました!」

「そっか‥じゃあ。」

そう言って坂道を自転車で下っていく彼。

私はその背中をぼーっと見つめてしまう。

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