桜色の空の下で
「チャリあれば間に合うんじゃない?」


『今日車で送ってもらったの。』



カナちゃんのお友達は
あたしがそう言うと
自分の自転車のカギを渡した。



「俺のチャリ使えば?」



・・・・・・・・・・・え?




あたしはこの子知らないのに。




「今俺のこと知らないのにって思ったでしょ?」




『え?』



顔に出てた?



「俺は明梨ちゃんのこと知ってる。」



その子はあたしに
カギを渡しすと
あたしの背中を押した。




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