罪桜
私たちはちょうどいい感じの場所を
見つけて、そこで花火を見ていた。
「綺麗だなぁ。毎年みても、綺麗だ
なぁ、紗智」
「綺麗だね……」
連の方を向いた瞬間、私は連にキスを
された。
「ちょっ…連、なにすんの…」
「あのさ、紗智。」
「な、なに…?」
「俺さ」
「うん」
「実はな…ずっと好きだったんだよ」
「え?なんて言った?なんか花火の音で
よく聞こえない!」
聞こえてた
本当は全部聞こえてたんだ
だけど、連の気持ちにどう応えていいか
わからなくて、気づかないふりをした