おかしな二人
「こんな女と結婚するんだ」
目を細め、値踏みするように睨んでくる彼女。
依頼者は、宥めたり、すかしたりしながら、叱り心頭の彼女とどうにか別れようと必死になっている。
あたしはただ、隣でしっとりでどっしり。
「本当に申し訳ないが、こういうことになってしまった以上。最初の約束通り、君とはもう終わりにしたいんだ」
こういう感じの女性は、簡単に納得しないんじゃないの?
最初の約束なんて、きっと屁でもないよ、うん。
あ、だからあたしが呼ばれたんだっけ。
つい、第三者丸出しで遠巻きな観察をしてしまった。
いかんいかん。
清楚でしっとり。
それでいて、どっしりよね、うんうん。