おかしな二人


「いただきまーす」

挨拶をちゃんとする水上さん。

偉いぞ、うん。

半分ほどを平らげたところで、水上さんがはたと顔を上げる。

「明は、食べへんのか?」
「え? あたしですか?」
「他に誰がおるん」

若干不機嫌な返事が返ってきて、焦る。

そりゃ、そうだ。
他に誰かいたら、逆に恐いもんね。

「水上さんを送り出したあとに、食べますから」

そう言って、意味もなくテーブルの隅を拭き拭き。

すると――――。

「はぁ゛っ!」

ドスの訊いた声を、浴びせられる。

ひいぃぃぃーっ。

朝から、そんな恐い声を出さんで下さいよー。


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