おかしな二人


水上さんがロケバスのような車へ乗り込むと、その窓が横並びに三つ一斉に開き、三人の顔が覗き出る。

その窓からひょっこりと顔を出した面々が、エントランス傍に居るあたしに向って大きく手を振ってきた。

「あっかりちゃーーん。いってきまーす」

大きな声で元気に声をかけてきたのは、哲さん。
口を大きく開け、盛大に手を振っている。

「あかりちゃーん。行って来るでぇ」

それを遮るように叫んだのは、シュウ君。
水上さんと似たような黒縁の伊達眼鏡をかけ、同じように手を大きく振っている。

「あかりちゃーん。相変わらず。可愛いなぁ」

ニヤニヤして言ったのは、マサシさん。
失礼だけれど、しまりのない口元が可笑しい。

「ありがとうっ」

その顔に向って、一応お礼を言った。


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