おかしな二人
夜、キッチンに立ち、食事のあとの後片付けをしていた。
綺麗なシンクで食器を洗っていると、水上さんに名前を呼ばれる。
「あかりー」
「はいはい」
「携帯、鳴ってんでぇ」
「え?」
あっ、凌かな?
水で濡れた手を急いで拭き、テーブルの上にほっぽらかしてあった携帯を手に取った。
着信音は既に切れていたが、履歴にはやっぱり凌の名前があった。
すぐに折り返しかけるべきか。
でも、いつもしない電話なんてしいたら水上さんから絶対に、誰からや? とか、なんの用事なん? とか訊かれそう。
顔を窺おうとソファの方にそおっと目を向けたら、おっきなお目目がこっちをガン見。
ひいぃっ!
慌てて、さっと目を逸らす。
そんな目で見ないで、テレビでも見ていてくださいよー。