おかしな二人


「そないなことで、いちいちクビにするわけないやろ」

何をいうのかと思えば、そないなことか。とでもいうように、グッタリとソファの背凭れに寄りかかる。

「え……。でも、さっき、事務所になんて報告すればいいかって、悩んでたし……」
「ん、まぁ。それは、そうやけど……」
「じゃあ、やっぱり、クビってことですよね……」

あたしは、解りきっていた事がついに現実になったんだと項垂れた。

でも、しかたない。
総ては、自分の考えが甘かったせいだ。
安易に行動してしまったせいだ。

ここの仕事には未練タラタラだけど、また便利屋の仕事を中心に、バイト掛け持ちの生活に戻るしかない。

ああ、でも。
住むところ、引き払っちゃったんだよね。
新しく探すか、別の住み込みの仕事でも見つけるより他ないか。

また、余計な出費が嵩むなぁ。

グチグチとクビになったあとの事を、色々と考えていると。


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