おかしな二人
「明日。今日の詫びに付き合え」
「明日ですか?」
「予定、ないんやろ?」
「ええ、ないですけど……。でも、クリスマスですよ。お友達とかと一緒じゃなくていいんですか?」
彼女は、居ないと言っていたから、あたしは友達づきあいの事を考えてそう訊ねた。
「ええんや。とにかく、明日付き合え」
有無も言わさずとは、このことでしょう。
ひと睨みされたあたしは、蛇に睨まれた蛙。
取り立て屋に囲まれた債務者。
やくざに因縁をつけられた小市民の如く、首を縦に振りました。
何ならジャンプでもして、小銭のチャリンチャリンなんて音もさせましょうか?
水上さんは、あたしの肯定を確認すると満足そうな顔つきをした。
まるで、明日は存分に可愛がったるさかいなぁ、といやらしい顔つきで弱い者を苛めるチンピラのよう。
柄物の派手で趣味の悪いシャツを着せたら、よく似合いそうだ。
やっぱり、小銭ありますよぉ。ってな具合にジャンプしとこうか。