おかしな二人
勢いで、銀行強盗とかしでかしたりしませんよね?
やるなら緻密な計算でお願いしますよ。
しかも、あたしを巻き込まないでくださいね。
そうそう、銀行員全員味方につけるとかどうですか?
こんな心強いことってないと思うし。
だって、客以外実はみんな銀行強盗なんて、誰も信じないでしょ。
どうです、この案。
それより、ピストルはどこで手に入れるんだろう?
やっぱり“や”とかつくお人から入手するのか?
伺うように顔を見て、口のそばに未だご飯粒をつけてる食いしん坊な強盗なんて、ちっとも恐くないかも。
むふふ、なんて心の中でほくそ笑む。
さて、そろそろ冗談はおいといて。
「今日は、どこへ行くの?」
「ん。まぁ、色々や」
満腹になった水上さんは、食後の緑茶をすすり、色々なんて口を濁して教えてくれない。
昼前には出るからそれまでに準備しとけ、と言い終えると、自分は寝室に引篭もってしまった。
あたしは食器を片付けながら、口の傍のご飯粒、教えてあげないままだったな、なんてチロッと舌を出した。