おかしな二人


「なんや、寒いか?」
「ううん……」

あたしは、首を横に振る。

寒くなんかないよ。
繋がった手は、凄くあったかいよ。

だけど、苦しい。
心が寒くて、苦しいよ。

手の温もりと、心の寒さはあまりにも対照的で、バランスを崩して壊れてしまいそう。
何故こんな風になるのか、ずっと鈍かったあたしは、今更ながらに思うんだ。

ああ、あたしってば、英嗣の事ををこんなにも好きなんだ、と……。

一旦そう考えてしまうと、気持ちの歯止めが利かなくなっていく。

繋いだ手を放したくない。
けれど、握られた小袋に胸が軋む。

それをあげる相手は、誰ですか?


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