おかしな二人


水上さんが出かけた後は、いつものごとくお掃除だ。
リビングに掃除機をかけ、キッチンも綺麗にしていく。

そうやってバタバタと忙しなく動いていると、お昼を過ぎた頃、リビングにある家電が鳴った。

「これは、出るべきか?」

いやいや、人様のお家。
いくら留守番と言えど、勝手に出るのはよくないよね。

考えていると、数コールで留守電に切り替わる。

なんだ。
ちゃんと留守電になってるんじゃない。

そう思い、電話に背を向けると呼びかけられる。

『おい。おるんやろ?』

うん。
居るよ。
って、家主じゃないけどね。

振り向き、電話を見ながら思ってみる。

すると、名前を呼ばれた。


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