おかしな二人


『忘れ物したから、届けてくれ』
「忘れ物?」
『寝室のどっかに、携帯があると思うんやけど』

携帯か、それは大変だ。

今のご時勢、携帯なしでは生きられんでしょうに。
なんせ、こんな極貧のあたしでも持っている代物ですから。

水上さんは、届け先を簡単に説明して電話を切る。
あたしは、寝室のどっかにあるといわれた携帯を探しにいった。
寝室に入り、とりあえずベッドの下を覗き込んでみる。

「ない」

その後、チェストの上の雑多な物たちをかき分けてみたり、床を這い蹲るようにしてみてみたり。

すると、ベッドの枠とマットレスの隙間にもぐりこんでいた携帯を発見した。

「おぉー。あった、あった」

携帯を引っ張り出し、ご主人様の元へ届けてしんぜよう、なんてバカなセリフを吐いてみる。



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