曖昧HONEY






















「……こういうこと、なんだよ。」



ホテルに連れて行かれて。

ベットに押し倒されて。


初めて、事の重大さに気づいた私。




強い力で押さえつけて、簡単に私の自由を奪って。

服に手をかけて、首筋に顔を埋めた龍ちゃん。

その熱が伝わってきたところで、私の頬を流れた一筋の涙。


「ほら…な。」


まるでわかっていたみたいに、それを見た龍ちゃんは動きを止めた。

そして、


「…わかっただろ?“男”ってのは、こういうもんなの。」


泣きじゃくる私を、やさしく抱きしめてくれて。


「もう二度とするんじゃないぞ?」



私が落ち着くまで、ずっとそのままでいてくれた。


怖かったはずなのに。

背中を撫でるその掌に、私は妙に安心してしまって。


だから、甘えてしまったのかもしれない。



「…ほら、帰るぞ。」



立ち上がった龍ちゃんの腕を掴んで…



「帰りたく…ない。」



気がついたら、引き止めていた。

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