曖昧HONEY



「昨夜も、ほとんどかまってもらえなかったもん。」


自分の席に座り直して。

知ってるくせに…と思いつつも、私は呟いた。



「“遅くなる”って言うからずっと待ってたのに…」



ご飯も用意して、
お風呂も準備して。

「おかえり」って出迎えたら…


「まだ起きてたのか?って怒られた。」


それどころか、


「コドモは早く寝ろ、って無理矢理部屋に押し込まれたんだよ?」


ひどくない?

私はもうコドモじゃないし、自分だっていくらも変わらないくせに…



「…それっきり。朝までほったらかし。見向きもされなかった。」

「疲れてたんじゃないの?お仕事だったんでしょう?」

「…違う。そういうんじゃないよ。だって…」


いつも、だもん。


もうすぐ半年になるけど、私たちは一度も一緒に寝たことはない。

それどころか…



「龍ちゃんは、私に興味がないんだと思う。」


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