花火
小さな田舎町の
母が営む小さな小さな家庭料理屋で働いてるあたし。



小さい頃から
田舎でダサくて何にもないこの町がキライで

高校卒業と同時に上京して
専門学校に通って

就職して2年。



病気になって
手術を3回繰り返して

わかったコトは

都会でひとり生活するには
『健康』でなければいけないとゆうコト。





あたしの子宮は

いつなくなってもおかしくないらしい。





白い病室の生活と
手術を繰り返すたびの激痛。
未来への不安。



怖くなって
尻尾巻いて逃げ帰ってから3年。



キライだったはずの小さな田舎町は
弱った身体を癒すには十分な緑色で

女手ひとつであたしを育ててくれた母と
母のすべてがつまった小さなお店は

弱った心に
泣きたくなるくらい
染み渡るのだった。
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