ラブ♡スリップ



自分の部屋で息を整える。


辛かった。


逃げた自分にムカついた。


「…どうし…て」


どうしてあんなにも冷たく見るのだろう。


わたしはベッドに入ることもできず隅っこに座る。


「りんご」


ドアの向こうから零の声がする。


いつもなら勝手に入ってくるのに。


「あんたの王子様が王様に直訴しに行ったよ」


「じ、きそ……?」


なにを?


花嫁はわたしじゃだめだって?


そんなことしたら。


そんなことしたら物語が…っ!


あの幸せそうな2人はどうなるの?



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