俺の姉(+従姉)たちが個性的すぎる件について
一章 かなり面倒な従姉がいます

し…れ…

しぐ……お…て

し…れー…きてー

「時雨ー!起きてー」

ん?

「…羽衣姉?」

聞き覚えのある声に目を開ける。

「あ、やっと起きた。遅刻するよー」

目を擦りながら尋ねる。

「今…何時」

「えーと…八時だね!」

「はぁ!?」

は…八時!?

ガバッと起きると、羽衣姉は鼻唄を歌いながら、部屋の雨戸を開けていた。

開けた窓からのどかな春の日差しが、部屋の中に差し込んで…って、呑気に描写してる場合じゃねー!!

八時半までに登校で、学校までに二十分前後で行けるから、ギリギリ間に合うかどうか…。

何にせよ、まず着替えよう。

ベッドからでて、急いでスウェットを脱いで、制服を

「きゃー!!し、時雨、何で裸なの!?」

見ると羽衣姉が手で顔を隠していた。隙間から赤い頬が見える。

…誤解しないで欲しいが、裸とか言ってても、上半身だけだから。

露出狂とか言われたら泣くぞ、マジで!!

「あー、羽衣姉、取り敢えず部屋から出てって」

「△※○■¥☆!?」

言葉にすらなっていないことを言いながら、階段を下りていった。

とは言え、羽衣姉いたのに脱ぐとは迂闊だった。


羽衣姉は、今時ビックリするぐらい純情なのである。

今時っつーか…年のわりにっつーか。

上半身の裸見ただけで叫びだすところからわかると思うけど。

…って羽衣姉の説明はいいんだよ!別に

「やっべ、やっべ」

着替えと、ボサボサ髪の手入れを手早く終えて、急いでリビングに向かう。

「お、時雨、やっと起きたか。遅刻するのか?」

「しねーよ!!入学早々遅刻とか、イメージ悪すぎるだろ!」

「そういうものなのか、ふむ。あ、朝飯米だか「米!?食ってる時間ねーよ!」…被せるな」

呆れ顔をした神楽姉が、キッチンから何かを持ってきてくれた。

「パンならいいのか?」

小さいバターロールの詰め合わせの袋。

「サンキュー、神楽姉!」

「あ、弁当そこだからな。今日は雨月が作ってた」

「お!楽しみ。…雨月姉はもう行ったんだよな?」

パンを食べる時間も惜しいから、弁当と一緒にバッグに入れる。

「お前と違って雨月は寝坊しないからな。今日も早く起きて、弁当作って、行ったぞ。
それに雨月は早くでないと間に合わないし」

「…何か嫌味?
まぁいいや、いってきまーす!」

「行ってこーい」
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