【完】ヴァンパイアとチョコレート
アンバードの正体
「ねぇ、如月君ここにいていいの？」

ミーナは雨が上がってもライルの家にいた。

「あぁ。その方が手間が省ける」

ライルはテーブルにあるチョコレートをつまみながら言った。

『夜は魔界にいた方がいいから、ここにいろ』

と言われ一応納得したミーナだったがどうにも落ち着かない。

ミーナの親は旅行で一週間は帰ってこないため問題はないのだが。

部屋に二人きりと言うのは何となく気まずい。

ルネは雨が上がると外に遊びに行ってしまったし部屋にはテレビなどもない。

シンとした空気が二人の間に流れているだけだ。

その間、ライルは黙々とテーブルの上にあるチョコレートを食べている。

（如月君ってよっぽどチョコレートが好きなんだなぁ）

ミーナが半ば感心したようにライルを見ていると、彼はそれに気づいて袋からチョコレートをを一つとった。

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