彼女アイデンティティ

そんな仲間と過ごした愛知県を去る。


嫌な気持ちの他にも、少しずつ芽生え始めた、新たな地で生きていくことへの期待感が。

小さな期待は、控えめだけど絶大だった。今はこの期待が潰れないように、できることを精一杯やるだけだ。


空っぽの部屋をみて、よしと意気込んだ。私と旦那の、二人だけの生活が、東京で始まろうとしていた。


でもやっぱり、世界はいつも通りで、冷静だ。


いつもと違うのは、すぐに乗るだろう高速道路に、旦那はなかなか乗らないことだった。

かなりの遠回りの末、見覚えのある場所にたどり着いた。

それはイルミネーション輝く、結婚式場だった。
わたしたちが一年前に結婚式をした思い出の場所だ。

彼のこういう気遣いが、私を更に、ドリーマーにするんだ。ずっと、夢をみさせてくれる。
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