流れ星になったクドリャフカ〜宇宙で死んだ小犬の実話〜

「クドリャフカ、おまえ……」


 唇がわなわなと震え、上手く言葉が出てこない。

 クドリャフカが、ペロペロと僕の頬を伝う涙を舐めていた。


 なんて、優しい子なんだろう……


 僕はクドリャフカの額に頬を寄せ、抱きしめる。

 必死で声を殺して、嗚咽を堪えながら、僕は泣く。

 本当は年甲斐もなく、わんわんと声を上げて泣いてしまいたかった。

 けれど、本当は僕に泣く資格さえないんだ。



 僕も、クドリャフカを殺す一人なんだから。



 そう思っても、涙は止まらない。



 クドリャフカは、そんな僕の涙をずっとぬぐってくれていた。

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