恋の味
「お前好きな人とかいんの?」

いきなりの言葉にびっくりした。

「!!」

驚いた私の顔を見て海斗は笑った。

「どした?」

どした?って言われてもねぇ。

「い、いるよ」

「だれ?」

えええええええええええええええええ

っそんなの言えるわけないじゃん!

貴方ですとか言えるわけないし。

でもこれは告白のチャンスかもしれないし。

でもちょっとこれは言いにくいし。

それだったら言うチャンスがないかもだし。

悩んでいる私にちょっと戸惑っている海斗。

それに気づいた私はあわてて言った。

「い、言えるわけないじゃん」

「そっか。んじゃ俺も言わないよー」

にやっとしながら私のほうを向いた。

「海斗って好きな人いんの?」

「いるにきまってるだろ」

いるんだ。

だれなんだろ?

「んじゃ俺こっちだからじゃあな」

「うん。バイバイ」

それからずっと考えていた。

でも結局わからなかった。
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