眼鏡越しの恋



「なんで・・・・・」


瀬能君のその言葉も表情も態度も全部、まるで私に対する独占欲みたいに思えるのは、やっぱり私の都合のいい勘違いなのだろうか?


そんな思いに眉を顰めた私を瀬能君は更に引き寄せて、ギュウッと強くその両腕で抱き締めた。


「―――――っ!!」


突然、瀬能君の腕の中に閉じ込められた私は何が起きたのかわからなくて、驚いて呼吸が止まった。


「お前は俺のモノにするつもりなんだよ。だから他の男には触れさせたくない。お前の素顔だって見せたくない」


強く私を抱き締めたまま、瀬能君は真剣な声で言った。
私はびっくりし過ぎて、声が出せない。


『お前は俺のモノにする』


って・・・それって。


「好きだ」


抱き締めていた腕を少しだけ緩めて、瀬能君が私の顔を覗き込むように見下ろすと、真面目な顔ではっきりと告げた。


「・・・・・・・・」


想像もしていなかった突然の言葉に、私は声を失くしたまま、ただ間近の瀬能君の顔を見つめてるだけで精いっぱいだった。


「好きなんだよ、お前のこと。もうずっと前から」


重ねられる瀬能君の言葉が信じられなくて。
でも目の前の瀬能君はとても真剣で。
嘘を言っているようには見えなかった。




嘘じゃないって、思いたかった。



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