眼鏡越しの恋
交際宣言



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『・・・・・瀬能君、最後に聞いている皆さんに一言お願いします』


『まあ、県大会もその先の全国も全力でやるから。ああ、でも鬱陶しいから応援とか来なくていい。以上』


お昼休みの放送室。
今日は瀬能君のインタビューの日。


瀬能君は私が用意したインタビューの内容すべてにちゃんと真剣に答えてくれて、無事に任務完了を迎えようとしていた。


きっと、今日は学校中の女の子がスピーカーの前で瀬能君の一言一言を夢中で聴いているんだろうな。


放送室に向かう私に、目をキラキラさせて『期待してるから!』と言っていた美香の顔を思い出しながら、瀬能君とマイクを挟んで並ぶ私はそんなことを思っていた。



でも最後にお願いした瀬能君の一言が彼らしくて。
スピーカーの前の女の子達を何気に牽制する言葉に私は少し苦笑しながら、締めの言葉を口にしようとした。


『・・・・・・・ありがとうございました。瀬能君の活躍を皆さんで応援しましょう。これで本日の・・・・・』


『ああ、せっかくだからもう一つ、言っておくけど』


『・・・・・・・』


マイクの電源を切るためにボタンに手をかけていた私の手に瀬能君の大きな手が重なって、電源を切るのを止められる。
それと同時に瀬能君が突然発した言葉に、私の締めの言葉が遮られた。


『“放送室のマドンナ”は・・・宮野祥子は俺のモノだから。コイツの本当の姿に気付いても、絶対手は出さないように。あと、俺も宮野のモノになったから、他の女はいらない。以上』



~♪ピンポン~パンポン♪~



瀬能君はどんでもない言葉をはっきりとした口調でマイクに向かって言い放つと、そのままマイクの電源を切って、放送を終了してしまった。



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