魔法のキス

開店当日。


神戸から母も来た。


この日はお客様はほとんど来ない。
知り合いが、お祝いに駆けつけてくれるくらいのものだ。


初日に来てくれた人には、ショップの名前の入ったハンカチをプレゼントした。


坂口さんは緊張している。
優美奈と千里は、この研修中で仲良くなったようだ。
2人はリラックスしている。


3人共、私よりも年上であるが、店長としてバカにされないように、友達のようになることは避けている。


研修中はみんなでランチをしたりもしたが、これからはお昼は1人づつ交代で行くようになる。


特に、優美奈と千里が、仲良くなり過ぎるのをやめさせるためだ。


これは母の考えで、女は仲良くなるとその後に喧嘩などをして、険悪な感じになることもあるというのだ。


確かに、学校でもどこでもそんな感じになることは多い。
さすが人生経験が豊富な大人は違う。


これからKiss Magiaは、うまくいってくれるだろうか。


祈るよりも私が頑張るしかない。
さぁ、新しい私の人生の始まりだ。


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