巡り愛


お弁当の用意が終わった後は、自分自身の準備。
仕事帰りに会うことが多い私達だから、いつも通勤用のシンプルな服装が多い私。
でも今日はいつもよりも少し、頑張っておしゃれをしたい。
目的地が高原だから、それにあった服装で・・・でも、いつもよりはおしゃれに。
少しでも圭さんに可愛いと思ってもらえるように。


私の心の中は圭さんで回っているんだ。


そう自覚しながら、私はやっぱり幸せな気持ちでいっぱいになった。


大好きだと思う人がいること。
それがこんなにも幸せな気持ちで満たさせることだなんて。
圭さんと出逢って初めて知った気がする。



結局、今日の服装はパールピンクのワンピース。
仕事のある平日はパンツスーツばかりだから、私にするとワンピースは珍しい。
シンプルなデザインのワンピースだけど、パンツスタイルよりもずっと女の子っぽくて。
なんだか少し、恥ずかしくなった。


メイクもいつもより丁寧にした。
“どこが変わった?”と聞かれると困るくらいの違いだけど。
それでも気持ちの問題だから・・・
今日は圭さんに可愛いって思ってもらいたいから。


呆れるくらい今日は乙女チックになってる・・・と、私は鏡の中の自分に苦笑した。


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