必然トラップ【おまけ追加】
必然トラップ
「ごめんっ! ほんっと~にごめん!!」



パン! と勢いよく両手を合わせて本気の謝罪する友人。

そんな彼女を前に、私は思わず苦笑する。



「いーよいーよ。仕方ないじゃん、係の人が急に休んじゃったならさ。穂波のクラスも大変だね」

「だけど、すずとはずっと前から今日一緒にまわる約束してたのに……」

「だいじょぶだって。ひとりでだって文化祭はてきとーに見てまわれるもの」



安心させるように、軽い調子でヒラヒラと片手を振って見せて。

だけど私は、すぐにイタズラっぽく笑った。



「けど、この借りはそうだなぁ~……学食のエビフライランチで手を打とう」

「げっ、ちゃっかりもの~!」



ようやくほんとの笑顔を見せてくれた穂波に、人知れずホッとする。

じゃあ私行くね、と踵を返しかけたところで、後ろから彼女に呼び止められた。
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