必然トラップ【おまけ追加】
「さっき穂波からメール来てたの。自分は行けないと思うから、他クラスの友達に食券譲ったって」

「あ、そうなんだ」

「そうそう。あっ、ちょっと待っててね!」



そう言ったかと思うと、彼女はぴゅんっとすばやい動きでどこかへ行ってしまった。

そして数分後、お盆を持って再び私のいるテーブルに現れる。



「ごめんねお待たせ~。ハイこれ、サービス!」



そう言って目の前に置かれたのは、桜色の湯呑み。

中身は涼しげな、氷の浮いた緑茶だ。



「えっ、いいの?」

「いいのいいのー! ゆっくりしてってね!」



その子はニコッと無邪気に笑うと、また別のお客さんの対応に行った。

なんていうか、人懐っこい子だなぁ。

私は思いがけないラッキーにさらに上機嫌になりながら、うきうきと抹茶パフェを堪能する。
< 4 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop