蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
まさか海水浴場のトラブルを未然に防ぐ監視員達がこんな真似をするとは想像もしていなかった。

押さえつけられる冴子と雛罌粟の前で。

「はい、大人しくしててね♪」

這い蹲った俊平の腹を蹴り上げる男。

「うげっ!」

胃液を吐き出し、俊平は腹を押さえて悶絶する。

「うわ汚ぇっ!吐きやがったよコイツ!」

「弱っ!こんな弱くていい訳?男の癖に!」

「この貧弱小僧のどこが良かった訳?カーノジョ♪」

気安くポニーテールに触れられ。

「触らないでよっっ!」

冴子は激しく抵抗する!

「石動君は只の友達よっ!彼氏じゃないわよっ!」

「んじゃ俺達と遊んでよ、気持ちよくしてあげるよ?」

「嫌っ!アンタ達と一緒に行くくらいなら石動君の方が百倍マシよっっ!」

強い口調で叫ぶ冴子。

「さ、冴子さん…」

這い蹲ったまま、俊平が何とか助けようとする。

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