蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
ふと気がつくと、レイノルドの姿はなくなっていた。

彼が耕介達の乗るトラックの追跡に使ったバイクのみが、車道に放置されていた。

恐らくはこのバイクも、どこかで拝借してきたものなのだろうが。

「あの外国人さん…探偵さんの知り合いなんですか?」

知らずに協力を仰いだ雛罌粟が言う。

彼女の行動力も大したものだ。

「ん…まぁな…」

耕介は言葉を濁す。

直接一般市民に危害を加えてはいないとはいえ、レイノルドもまた非合法の組織の人間。

ビル屋上から狙撃銃で発砲したり、犯罪行為を犯している。

警察の集まってきたこの場に、長居する訳にはいかなかったのだろう。

< 242 / 440 >

この作品をシェア

pagetop