蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
仕方なく知り合いの車屋に頼んで、動かなくなったフィアットを引き取ってもらう。

愛着あるが故に今まで乗り続けていたフィアットだったが、もうこうなっては手放す他ない。

牽引されて去っていく愛車を見送りつつ、一抹の寂しさを感じていると。

「探偵さん」

背後から声をかけられる。

見れば雛罌粟が立っていた。

今日もいつもの制服姿。

手には、マックの紙袋。

「探偵さんの好きなフィレオフィッシュ買って来ましたけど…何かあったんですか…?」

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