蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
耕介は事務所を出て、隣接するガレージの方へと行ってみる。

…まだ暗い中、ガレージのシャッターの隙間から灯りが漏れているのが見えた。

「熱心だな、睡眠もとらずにメンテナンスか?」

ガレージに入り、声をかける。

BMW735iのエンジンルームを開いて、省吾は覗き込んでいた。

バッテリー、エンジンオイル、ラジエーター。

ディーラーで行われるちょっとした愛車点検並みの事を、省吾はこうして毎日行っているらしい。

愛車への愛着が窺える。

まぁ尤も、彼の車はトランク部にアサルトライフルだのロケットランチャーだの積み込んでいるのだ。

おいそれと他人に弄らせる訳にはいかないのだが。

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