蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
とはいえ夏彦も、こうして嬲るのは本意ではない。

俊平と同じ思いをさせ、しっかりと後悔させたかっただけだ。

「これに懲りたら、二度と馬鹿な真似は…」

夏彦が言いかけた時だった。

「何やってんだぁ?オメェら」

工場の奥から人が出てきた。

夏彦が相手していた若者達とは比較にならないような、大柄で筋肉隆々で、如何にも喧嘩慣れしていそうな連中。

チンピラのような服装だったり、特攻服だったり、学ランだったり。

強面ばかりの集団が、一種異様な雰囲気を醸し出す。

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