蓮杖探偵事務所の飄々事件簿
ともかく、ドアは開かれた。

耕介を先頭に、雛罌粟、夏彦、冴子、俊平の順で部屋を出る。

部屋を出た先は長い廊下。

埃が積もっていて、長年ここを人が歩いていない事が窺える。

「廃墟か何か…かな」

息を殺して呟く俊平。

「みたいね…こんなに広い所に灯り一つ点いてないなんて不自然だもの」

冴子も頷く。

これ程長い廊下が外にあるとは意外だ。

もしかしたらこの建物は、彼らが想像している以上に広いのかもしれない。

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